配管の凍結を防止するヒーター、エコセブンヒーターはエコフィットヒーターと同じメーカー、山清(さんせい)電気の製品です。
このエコセブンヒーター、見かけは普通の凍結防止ヒーターですが、ヒーター部分にサーモスタットが付いていません。
サーモスタットの代わりに、
温度制御をするこのコントローラ部が付いて、
初めて「エコセブンヒーター」となります。
エコセブンヒーターはコントローラ部が配管の外に来ます。
コントローラー部は外気温度にてヒーターを制御します。
このコントローラがスグレモノ。外気温0℃~5℃の時には変動制御をします。つまりヒーターを付けたり、切ったりを繰り返すのです。
従来のヒーターだと、5℃くらいでヒーターの電源が入って、それ以下の温度ではずっと配管を温め続けます。
そうして、外気温が上がってきてサーモ部が10~13℃位になると切れるようになります。
つまり、従来の凍結防止ヒーターは相当暖かくならないと電源が切れません。
下手すると冬の間は電源入りっぱなしということも。
その点、エコセブンは、
5℃以上はヒーターがOFF、
0~5℃では断続的にON-OFF。
0℃以下で連続ON。
・・と、細かーく制御してくれますのでエコライフの強い味方です。
ヒーターによる保温部分が長くなればなるほど差が出ますよね!
また、コントローラ部には電源・通電のパイロットランプが付いており、電源=「電気が来ているか?」、通電=「この寒い時にちゃんと温めてくれているか?」の確認ができます。
「パイロットランプ付ヒーター」と同じ役目も果たすわけです。
コントローラ部はコンセントの近くに来ることになるので何かに隠れて見えなくなる、ということが少ないですね。
ヒーター部にはサーモスタットが付いていないので保温がしやすいですよね!
ヒーターを巻いて、サーモ部をその裏に持ってきて・・ヒータ線が重ならないように気をつけて・・・
って、結構気を使います。
真ん中にサーモがあるタイプも、安価ですからコストを抑えたい場合はいいのですが、がさばってしまって保温しづらい場合があります。
エコセブンは曲線部にも馴染みの良い、柔らかいヒーター部を巻いていくだけなので施工が容易です。
エコセブンは基本的に金属管用です。鋼管、銅管、ステンレス管、フレキ管などにはそのまま巻いていただけます。
ただ、最近はパイプも樹脂管が多いですよね。
VPやHIVP、HTVPなどの塩ビパイプ、架橋ポリエチレン管やポリパイプ二層管などの樹脂管にはフッ素樹脂被覆のエコフィットヒーターか、ポリオレフィン系被覆のPHヒーター(山清電気製)などがいいのです。
エコセブンに限らず、塩ビ製のヒーター(市販の殆どの凍結防止ヒーターがそうです)は塩ビパイプやポリパイプ、架橋ポリパイプなどの樹脂管に直接巻いてはいけません。
この事は注意書きで謳っていないメーカーもあるかもしれませんが、山清電気さんのヒーターにはちゃんと書いてあります。
・・・ではなぜ樹脂管に塩ビ製のヒーターはダメなのか?
・・・塩ビ製のヒーターは、塩ビを柔らかくするために入っている可塑剤(かそざい)が入っており、その可塑剤が長い間に樹脂管に移って、樹脂管の一部が溶けたり変形したりする場合があるからです。
じゃ、使えないの・・・??
・・・そんな時、こんな裏技があります。
アルミのテープをまず樹脂管に巻いてから、ヒーターを巻きましょう。
こうすることで可塑剤の転移を防ぐことができます。
アルミテープの効用はもう一つあります。
樹脂管は熱が伝わりにくいので、ヒーターで管の一部だけ暖められて、管全体に熱が行き渡らなくなる場合があるんです。
熱を伝えやすいアルミ製のテープを巻いておくことでヒーターの熱がアルミテープを伝わって配管全体を均一に温めることができるんです。
丈夫なALGC(アルミガラスクロス)か、厚めのアルミ箔のテープを使って下さい。(それらがない場合で、急ぎのときはどこのご家庭にもある、そこらじゅうで売っているアルミホイールでもいいですが、薄くて切れやすいので
気をつける必要があります)
この例ではALGCの、裏が粘着でない物を使っています。配管には結構なじみが良くてお勧めです。
そして、アルミ箔テープの端は必ずアースにつなぎましょう。
配管につながる機器本体がアースされている場合は機器のアース端子でもOKです。
アースはポンプのおまけで付いてくるような30cmくらいのアース棒でいいでしょう。
この例では、上部の減圧弁から先が鋼管配管でボイラーまで行っているので、減圧弁にアルミ箔テープが電気的に接触するように巻いています。(電気の導通があるのは表側のみなので、端を裏返しています)
「アースをする」のは、万が一、ヒーターに傷がついて漏電してしまった場合などに感電や発火事故を防ぐためです。
保温材を外す時など、カッターナイフなどでヒーターを傷つけてしまう事って結構ありますよね?
金属管にヒーターを巻いた場合は、漏電すると配管自体がアース線となり、埋設部や器具を伝わって地面にアースされます。
しかし樹脂管に使った場合には電気の逃げ道がないのです。
だからアースは重要なんですね。
エコセブンのように、自己温度制御型ではない、内部にニクロム線の入ったヒーターは、重ね巻きはNGです。
また、間を詰めて巻きすぎるのも過度の発熱の原因となり、危険です。
ヒーターを巻いて、余ってしまった場合は、無理に間を詰めて巻かずに、外に出しましょう!
エコセブンは外部温度制御式のヒーターなので、給水管・給湯管両方への施工が可能です。
すでに凍ってしまって、通水がストップしている配管に巻いて、とりあえず解氷したい時があります。
オートヒーター(トウトク製、自己温度制御型)やPH型ヒーター(山清電気製・自己温度制御型)だとそれができるのですが、普通のサーモスタット式のヒーターだと、設定温度以下にならないとヒーターがONにならないので、
気温5℃程度の昼間だと解氷ができない時があります。
ところがエコセブンは・・解氷ができてしまうんですねえ。
配管に巻いたら、コントローラを付けずに、ヒーター側のプラグをそのままコンセントに差し込んで下さい。
氷が溶け、通水した後に外したコントローラ部を付けるのを忘れないで下さい。ただ、"ヒーター"といっても低出力ですから(重ね巻きや間を詰めすぎたりしなければ)30℃程度にしかならないので、コントローラ部取り付けが諸事情により翌日以降になってしまっても大丈夫です。
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